米国のトランプ大統領が2日、新型コロナウイルス検査で陽性となった背景には、ホワイトハウスの危機管理の甘さがある。ホワイトハウス内では、マスク着用や社会的距離の確保などのルール無視が常態化していた。世界政治の中心での感染拡大を不安視してきた専門家や米メディアの懸念が現実となった。
8月27日にホワイトハウスで行われたトランプ氏の共和党大統領候補としての指名受諾演説では、約1500人に上る参加者の大半が、マスクを着けずに近距離で会話する場面が目立った。用意された座席は隣の席と約15センチしか離れておらず、米CNNテレビは「驚きの光景だ」と非難した。
トランプ氏自身もマスク着用をたびたび軽視し、各地で行った選挙集会ではマスクを着けない支持者がいても、注意する様子はなかった。トランプ氏に感染させた可能性がある側近のホープ・ヒックス元広報部長は、マスクを着けずにトランプ氏の移動に同行する姿が目撃されている。